サプライズ!!『仕込みをしよう。。。』
12年物のバルサミコ・トラディツィオナーレは規定のジウジアーロ・デザインの100ml瓶に入ると市販価格12,000円はします。
日本人でたぶん初となるオリジナル・バルサミコ・トラディツィオナーレ製造。昨年収穫のトレヴィアーノ種という白ぶどうを煮詰めた液体(モスト・コット)を5種類の木樽に満タンにしたのが2011年10月。あれから3ヶ月が経過、それぞれの樽を覗き込むと強烈なアルコール臭、そして、発酵で液体の温度が高く、この間にだいぶ蒸発もし、目減りしていました。
3代目オーナーであるシモーネさんから、エプロンと大きなスポイトとタンクを手渡され、『じゃ樽から樽へ移し変えをしよう』と仕込み!?をさせてもらいました。
一番小さな樽へ次から次へと満タンにして、一番大きな樽が空っぽになると“ボッテ・マードレ(母なる樽)”から満タンに補充しました。
この作業は年に一回、12年間繰り返して行う仕込みです。長いときを経て“最高のトラディツィオナーレ”が出来ることを心から願っています。
ちなみに12年するとバルサミコ協会認定を受け、いくつかの工房から出品されたバルサミコで品評会を行います。最優秀には“グラン・プレミオ”という賞がもらえるそうですが、シモーネさん誕生記念の1969年仕込みのトラディツィオナーレはその賞を受けました。なので、同じ工房製造なので可能性あるかもしれません。

サレルノ市内からナポリ方面へ車で30分、グラニャーノという小さな街は“パスタ発祥の地”と言われています。
この街には極めて良質な小麦粉、昔ながらの手づくりを意識したパスタ工房が数軒あります。その中の一つに私たちが使用するスパゲッティを製造している“マエストリ・パスタイ”があります。
今回初めて訪問してきました。『工房見る前に俺のバールでカッフェしよう』と工房の隣にあるバールでエスプレッソを頂きました。
さて、工房に入るとまずしっかり“小麦粉の香り”がしました。オーナーのペッペ・サヴァトさんからは『機械に頼る時代だがその機械は必要最低限、そして、人の手と同じ仕事をする機械を導入している。でも一番大事なのは“美味いものをつくりたいというパッショーネ(情熱)”だ。小麦粉の選択から気合だよ。』と納得の言葉。
ここのパスタの最大の特徴はブロンズダイス使用と少量高品質生産、低温長時間乾燥。麺の表面をザラザラに仕上げ、希少で良質な小麦粉を使用するために少量しか作らず、低温でじっくりゆっくり小麦粉の風味を最大限に残す乾燥方法で製造を行っています。
小麦粉の風味豊かで栄養価も高く、もちもちの歯ごたえでソースが絡まりやすい、理想のパスタです。
イタリア料理店のトマトホールは日本料理店の味噌や出汁に匹敵するくらいそのお店の味個性を打ち出すものだと思います。
その店の味を表現するのに私たちのお店でもトマトホール選びはたいへん重要なものですが、今回の視察でかなり美味しいトマトホールを見つけました。
サルヴァーティ・ファミリー(サレルノ)が営むその工房で毎年7、8月に厳選されたトマト(サンマルツァーノ種)を加工し1年分を缶詰めにします。
トマトのBRIX(糖度)は6~6.3度を選別し加工、お店で使用しているものは6.8度。それにタマネギやニンジンなどを加えトマトソースに仕上げるのですが、糖度が高い、低いは“うちの味づくり”においてかなり重要です。もちろん酸度、果肉状態、漬け込みトマトジュース濃度、味もチェック項目です。
このトマトホール、今後お店で使用するかしないかはアッカデミア(研究会)でシェフたちと検討します。